フレームセッティング
ボロの色ガラスを使って作品を作る際のもっとも重要な要素の1つは炎のセッティングで、色を コントロール出来るようになるには炎の科学的性質を理解することが重要です。炎の科学的性質は3つのカテゴリーに分けることが出来ます。還元ゾーン、ニュートラルゾーン、酸化ゾーンです。どの様に還元ゾーンと酸化ゾーンを定義するかはとても主観的なものですが、炎の色、キャンドルの長さ、音などによって判断することが出来ます。
①還元炎
還元炎はガスが十分に燃焼していない状態です。これは全てのガスを燃焼させるために十分な量の酸素が存在していないことを意味します。このタイプの炎は細長い黄色のキャンドルが特徴です。還元炎にはこまかく分けると還元炎、超還元炎、低温の還元炎の3つの種類があります。

超還元炎
超還元炎は炎の全体に黄色のキャンドルがある状態です。

低温の還元炎
火炎放射器のような炎です。GTTではトリプルミックスのバーナーでのみ出せる炎です。

ニュートラルフレーム
ニュートラルフレームはプロパンと酸素の比率が当量の状態です(等量ではないことに注意。当量=equimolar)。これは全てのガスを燃焼させるために必要な酸素が十分に存在していること意味します。ニュートラルフレームはトーチが発揮できる最も熱い炎です。ニュートラルフレームを見つける為にはキャンドルがシャープ短く、なおかつ明るく青く輝く炎を探して下さい。これは炎がニュートラルである事を示しています。

酸化炎
酸化炎は酸化量の超過した全ての炎の状態です。シューという音、シャープな炎、青白い炎で簡単に確認することが出来ます。この炎は酸素量の超過によりガスを吹き飛ばすためニュートラルフレームより温度が低くなります。

ニュートラルフレームの構成
ニュートラルフレームのなかでも炎の位置によって酸化度合いがことなります。炎の中間はニュートラルでトーチヘッドに近い部分は還元雰囲気です。炎の先になるほど酸化度合いが増し酸化雰囲気になります。炎雰囲気の位置はバーナーによって異なりますので下の図はあくまで目安とお考え下さい。安定した明瞭な色を出すためにはニュートラルフレームの使用をお勧めします。

ニュートラルフレームの確認
ボロガラスの加工では安定した明瞭な色を出すためにニュートラルフレームの使用をお勧めします。
炎がニュートラルであるかどうかを確認するにはGA987アマゾンナイトを使い炎の状態をテストして下さい。
まず、アマゾンナイトが赤く光るまで加熱し、炎の外に出して冷まします。ロッドの色が黒のままであれば炎はニュートラルです。ロッドに青や金属光沢が現れる場合は還元炎ですのでガスを減らしてニュートラルに近づけて下さい。